社会医療法人一成会 木村病院
財団法人 日本医療機能評価機構 認定基準一般病院

社会医療法人一成会 木村病院 | 東京都荒川区南千住

くるみん日本医療機能評価機構 認定第GA18号

高気圧酸素療法

高気圧酸素療法とは?

高気圧酸素治療装置の中に入り、2~3気圧に加圧された状態で、純酸素吸入することにより血液中の酸素濃度を通常の10~20倍にすることが出来ます。この原理を利用し、患部に血液を介して多くの酸素を送り、障害組織の再生、炎症の早期沈静化を促す治療法が高気圧酸素です。
高い気圧の中では酸素が圧縮して、直接血液に溶け込みます。

高気圧酸素治療装置

幅広い疾患が対象になります

  • 脳梗塞
  • 重症頭部外傷後もしくは開頭術後の意識障害
    または脳浮腫
  • 急性一酸化炭素中毒およびその他のガス中毒
  • 重症軟部組織感染症
  • 壊死性筋膜炎、ガス壊疽(または頭蓋内膿瘍)
  • 急性末梢血管障害
  • 減圧症または空気塞栓
  • 突発性難聴
  • 網膜動脈閉塞症
  • 脊髄神経疾患
  • 骨髄炎または放射線障害
  • 放射線または抗がん剤治療と併用される
    悪性腫瘍
  • 重症の低酸素脳症
  • 腸閉塞
  • 難治性潰瘍を伴う末梢循環障害
  • 皮膚移植

施行回数

脳梗塞の場合 1日1回 約1時間30分 × 10回
突発性難聴、網膜動脈閉塞症
などの場合
1日1回 約1時間30分 × 30回

疾患状況や医師の指示により増減することがあります

外来の場合、初回は治療前に診察を行い、2回目以降は治療後に診察を行います


治療の流れ

治療前の事前確認

事前に、「高気圧酸素治療に関する説明書」をご覧いただき医師が内容をていねいに説明いたします。
説明が終わりましたら、同意書に署名をいただきます。
高気圧酸素治療をご希望の方は、以下の説明書を必ずご確認ください。

高気圧酸素治療室(1階)にお入り、お名前と生年月日を伝えてください。その後は、下図の流れで治療を始めていきます。

治療中について

平常時の約10倍の酸素を血液中に直接溶解させます。装置内で過ごす時間は約1時間30分です。

治療開始10〜15分後に耳痛や耳閉感などの症状が出ることがありますが、耳抜きをすることで緩和されます。耳抜きがうまくいかない場合は、患者さん一人一人に合わせて加圧・減圧を行うことができますので、お声掛けください。

治療後について

治療後も耳痛や詰まった状態が続くようでしたらスタッフまたは看護師にお伝えください。


高圧酸素療法の安全性と合併症

高圧酸素療法は、障害組織の再生や炎症の早期沈静化に必要な治療法で、安全性は非常に高く、大きな合併症がありません。ただ、ごく希に下記のような合併症を起こすことがあります。

酸素中毒

過剰な酸素摂取によってもたらされる障害作用。主な症状は、息苦しさ・呼吸困難・気管支炎症状・胸痛・めまい・耳鳴り・けいれんなど。

気圧外傷中耳圧外傷

  • 気圧性中耳炎(中耳スクイーズ・リバーススクイーズ)
    耳管機能不全のため、加圧・減圧にて中耳腔圧が上昇・下降できないことにより発症します。
    主な症状は、耳閉塞感、軽い耳鳴り、耳痛、鼓膜破裂など。
  • 副鼻腔スクイーズ・リバーススクイーズ
    副鼻腔炎、鼻炎、かぜなどの鼻詰まりにより、加圧・減圧時に副鼻腔の出口が閉塞している際に発症します。主な症状は、前頭部、頬部、目の奥などの痛み。鼻出血など。

その他

閉所恐怖症・呼吸器合併症など。


自由診療(自費診療)での高気圧酸素治療について

当院では、保険適応外の疾患や症状へ自由診療(自費診療)という形で高気圧酸素治療を行っております。 高気圧酸素により溶存酸素量の増加による組織修復の促進で、痛みや腫れなどの症状の改善が見込まれる以下の状態でお困りの方を対象としております。

  • スポーツ外傷(骨折、肉離れ、捻挫・靭帯損傷、打撲など):スポーツ選手など
  • 声帯浮腫:声楽家・音楽家など、喉への負荷の高いお仕事をされている方

自由診療(自費診療)での治療費

  • 60分コース : 22,000円(税込)
  • 90分コース : 27,500円(税込)

※2気圧での治療になります。この時間には、加圧、減圧時間も含まれています。

注意事項

  • 薬の処方など含めてすべて自由診療(自費診療)となります。
  • 緊急に高気圧酸素治療を行わなければならない他の患者様がいらした場合には、治療の中止や予約時間より実施が遅くなることがあります。
  • 診察で対象疾患ではないと判断した場合や治療前の検査で高気圧酸素治療を行うことができないと判断した場合には、高気圧酸素治療は行わずに通常の治療を保険診療で行うこともあります。

高圧酸素療法に関する
よくある質問

手術前・検査について

Q.高圧酸素療法では入院は必要ですか?
A.はい。高気圧酸素療法を受けられる患者さんには入院していただく場合もありますが、外来でも治療可能な体制を整えています。
Q.高圧酸素療法で注意することはありますか?
A.火気厳禁です。燃えやすいものは持ち込まないようにしてください。また一度、治療用タンクに入るとすぐには出られませんので、トイレは済ませておいてください。
Q.高圧酸素療法に向かない人はいますか?
A.治療用タンク内は暗くて狭いため、暗所恐怖症や閉所恐怖症の方には向きません。また、当院の治療用タンクは1人用のため、タンク内で体調に変化が起きたとき自分で知らせていただかなければなりません。従って、意識の悪い方や常に誰かがそばにいる必要のある方には、この治療はできません。
Q.高圧酸素療法はどれぐらいの日数が必要ですか?
A.約2週間となります。ただ、患者さまの状態によってはこれよりも短くなることがあります。
Q.高気圧酸素治療にかかる費用はいくらぐらいですか?
A.対象となる疾患に対する高気圧酸素治療は保険適用となります。その他に再診料や薬をお出しする場合は処方箋料などが必要となります。詳しくはお問い合わせください。

高圧酸素療法に関するお問い合わせ

お電話でのお問い合わせは、下記からご連絡ください。

お電話でのお問い合わせ:03-5615-2111